この年齢・女性では あんまりいないらしい、

冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)=異型狭心症が判明するまでの道のり。


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冠攣縮性狭心症(かんれんしゅくせいきょうしんしょう)
=異型狭心症の症状
私が感じた【 歯と胸の痛み 】の他に 
左肩、お腹、左腕、喉が痛む方もいるそうです。放散痛だということです。

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3月7日(金)   晴れ  入院2日目

6:00

起床。 

早いよ。 

つらい。

デイルームに行って見ると大山が桃色に染まっていた。







6:30 検温。血圧測定。前日のお小水・お通じの回数を聞かれたものの正確には答えられず。毎日聞くから数えておいてねと言われる。
私は血圧が低いので看護師さんに『いくつですか?』と聞くが『低いですね。』と答えられる。だから、いくつなのよ?!(2度目だな)


8:00 朝ごはん。ご飯220g・味噌汁・まさご和え・きゅうりもみ・牛乳
まさご和えと、きゅうりもみが青臭くて食べられなかった。メニューには納豆と書いてあるのに出ず、パワー激ダウン。
がっかりしてご飯はほとんど残す。
歯を磨いたり雑誌を読んだりして時間をつぶす。これから検査なのに特に説明もなく手持ち無沙汰。


9:00 ■先生がいらして 『よく眠れましたか?今日は安心して検査を受けてくださいね。 』と励ましてくださった。


9:30 今日も仕事を休んでカズボンが来てくれた。時計とお箸と曲がるストローを持ってきてくれた。


12:00 検査前の点滴が始まる。これが1時間かかる。 母も来てくれて心配そうについていてくれる。あざらしの形をした枕、
キダムを見に行ったお土産のキーホルダー、TDLに行ったお土産のお菓子、ガラスの犬、帽子などなどたくさん持って
きてくれた。両親に心配をかけることが申し訳ない。


13:00 看護師さんが来て検査着に着替え、T字帯というふんどしのようなもの!!を身につけろと言われる。
母とカズボンが着替えの間、外へ出ていったのでカーテンをシャーッとひいて着替えようと思ったものの、腕には点滴が
くっついているのでパジャマとフリースの上着を脱げない。慌てて点滴をかつぎ上げて廊下に出て看護師さんを呼び
点滴をはずしてもらう。部屋に戻ってカーテンをしゃーっとひいて着替え終えたものの今度はT字帯のつけ方が分からず、
またも点滴をかついで母を呼びに出て、つけ方を教わった。やれやれ。
4階の病室を出てエレベーターに乗り、歩いて3Fの検査室へ向かう。はずすよう指示のあったピアスとバングルとメガネを
カズボンに預かってもらったので0.02の視力で心もとない。母とカズボンも検査室の前まで付いてきてくれた。
検査室に入ると、すぐに冷えびえとした検査台の上に、踏み台を2段あがって横になった。大勢のスタッフがぼんやり見えた。
寝かされている左上の方にモニターが並んでいて、そこにX線で見た心臓、心臓のパルス、血圧その他のデータが映し出されて
いるらしい。丸い大きなレントゲンの機械が天井から胸の上近くまで下りてきていて、歯医者さんの照明みたいに上下左右角度も
自在に動くようになっている。検査着の前を開かれ心電図の吸盤が取り付けられ、手早く血圧測定。検査中、腕が楽なように
透明なプレートを設置してくれた。
素っ裸で恥ずかしいやら情けないやら。上半身に厚手のビニールシートやタオルをかけてくれる。
足の方にもかけてくれたらしい。検査の台は結構高さが高いところに設置されているようでそばを通る人の身長がつかめない。
この検査台は先生が位置を変えず動かなくて済むよう、台の方が自在に軽々と動くようになっているらしい。
■先生がいらしたら『よろしくおねがいします。』と言うつもりで、ほとんど見えない目をこらして先生を探していた。
助手のお姉さんが
足の付け根からひざの方まで冷たいイソジンを豪快に塗る。
低い声が頭上から響いて、ちょっとあきれたような感じで『ずいぶん盛大に塗ってるな。』と言ったのが聞こえた。
それが、いつもおだやかで紳士的な話し方をされる■先生だと気づいたのはだいぶ後・・・検査の準備を始めるために
■先生が私の前(正確には体の右側)に立った時だった。■先生は身長が180cm以上あるので、見えない目でも背が一番高く
感じられる人が■先生だろうと安易に考えていたのに気づくことが出来なかったので、私は挨拶をし損ねてしまった。
検査は2人の医師によって行われる。でも、患者さんで容態が急変された方が出たようで、パートナーとなる先生が
なかなか現れなかった。まさか、■先生ひとりでやるんですか?と失礼なことも聞けず・・・かと言って本当にこのまま始まって
しまったらどうしようと汗だくになる。準備はどんどん整っていく。胸の上近くに下りてきているレントゲンの機械にシャワーキャップの
ようなビニールをすっぽりかぶせた。
時計を見るとすでに1時15分。予定では30分で終わる検査だということで準備と後処理を含めても1時間で終わるはずだったので
この分だとかなり遅れるだろうから、待たせているカズボンと母はさぞかし心配するだろうな〜と思った。20分を過ぎてようやく
パートナーの先生が来られた。■先生より年配の先生のようだけどもちろん私には見えないし、そもそも他の先生は名前も顔も
知らないし・・・。
   
◆心臓カテーテル検査
     冠状動脈造影検査ともいう。脚のつけ根、ひじ、手首のいずれかの動脈からカテーテル(細い管)を入れる。
     X線透視下でカテーテルを冠状動脈の入り口まで挿入し、造影剤を注入。映画撮影のようにシネフィルムに
     冠状動脈の状態を撮影。そのまま治療に進むこともできる。

検査が始まった。『肩幅くらいまで足を開いて、親指を外側に向けていてください。』と言われる。え・・・足・・・開く・・・んですよね・・・
看護師さんがカトちゃんのヒゲみたいに一部剃り残したままにしておいた方が良かったのか・・・、それとも自分で完璧につるっつるに
しちゃってよかったのか・・・(この件については後で会社のK先輩T後輩と真面目に笑い泣きしながら話し合ってしまった) 
まな板の上の鯉。
多分、実際はちっとも丸見えなんかではなくて、カテーテルを入れる足の付け根の所だけ丸く切り抜かれたビニールシートを
かけられていたんだと思う(でも、私自身が見えてないから分からない)・・・ので、恥ずかしがってても意味はないんだろうけど・・・
検査中は、一時的に脈が遅くなることも考えられるため体外式のペースメーカーが取り付けられる。これが最初はキツかった。
バクンバクン勝手に心臓が動かされる。そ、それは苦しいよう!と訴えようと思ったらちゃんと下げてくれたので一安心。
ちょっと、いつもの穏やかな■先生ではないみたいなスタッフに対する厳しい口調に緊張したけれど、私にはいつもの通り優しく
『Iさん、麻酔の注射で少し痛みますよ。』 『ご気分はいかがですか?』など、こまめに声をかけてくださる。局所麻酔の注射は
ほとんど痛みは感じなかった。
その後、■先生が何か器具を使い終わってポンと足の辺りに置いた時にその器具の先端が私の左ふくらはぎにチクンと刺さって
しまった。(ごめんなさい、痛かったですよね・・・と何度も謝りながらも この傷は一生消えません、なんて私が緊張を忘れて笑える
ようなことを言ってくださったような記憶があるのだけど、やっぱり緊張していたのでよく思い出せない )
その上・・・私が寝ている検査台を左の方向に(つまり私の頭の方向に)動かした時、勢い余って台がガンっと何かにぶつかり
衝撃にビックリして頭が一瞬持ち上がったので、■先生はすぐに『ごめんなさい、申し訳ありません。』と謝ってくださったものの、
その後もぶつけて『またやってしまった・・・やっぱりぶつけてしまうなぁ。』と困った風なのでちょっと笑ってしまった。(^^;
いつもの冷静な先生らしくない。
足の付け根に入れられるカテーテルというのは2mm程度の管らしい。ずいずいと先生が入れていく手元が目をこらすとどうにか見える。
コンタクトをしてきてもよかったのかな。何がどうなっているのか分からない。でも、確かに心臓に何かつんつんというか、チクチクと
いうような突付かれた感覚があった。カテーテルが心臓に到達した瞬間だったのかもしれない。
それから、心拍出量の測定でセンサーの温度設定に不具合が出たため、技師さんがパートナーの先生に『呼んだらすぐ来い!』と
呼ばれてすっとんで来たものの検出できません!と声が飛び、自分の体温がそんなに低いのかと勘違いして汗だくになる。ビビッた。
でも、その検査はなくても特に困るわけではないらしく飛ばされた。私は本当に飛ばして平気なものか分からないので不安。
でも不安がっていながらも、■先生がスタッフに2度声をかけて『skip!』と指示したのを聞きながら ” キビキビしてて
先生カッコいいなぁ〜 ” と、のんきな事を考えていたらパートナーの先生が『順調に検査は進んでますから心配ないよ〜。』と
初めて声をかけてくださった。でも、バタバタとみんな走り回ってるけどホントに順調なの〜?とちょっと思った。
何時だろう、予定より遅いんだろうな・・・と思って左側の壁にある大きな時計を見ようと首をそちらへ動かしたら■先生が
『ごめんなさい、今のは痛かったですね。』と謝ってくださった。患者の動きに注意していてくださるのは嬉しいんですが違うんです、
時計を見ただけなんです、こちらこそごめんなさい。
アセチルコリンの投与が始まった。20,50,100μgと注入していく。薬が投与される時は胸がもわーんむわーんと気持ち悪くなる。
M先生が『ごめんなさい、お胸が気持ち悪いですね?』と声をかけてくださる。アセチルコリンは体内に入れても4分で代謝されるそうで
投与の度に『息を大きく吸ってください・・・そこで止めて。はい、らくになさってください。』というのが繰り返されてだんだん逃げ出したく
なってきた。気持ちが悪いし、やっぱり怖いし。薬が投与されると同時に時間計測スタート。M先生は4分はかるようにスタッフに声を
かけるのにパートナーの先生は『3分半でいーんだよ。3分半たったらタイマーリセットしちゃって!』と言う。
M先生が『いや、4分で計測しないと・・・。』と言っても『3分半で(狭窄・・・冠動脈が狭くなる発作が)出なきゃ、出ないんだよ。』と
パートナーの先生が3分半で押し切ってしまった。確かに3分半たってもなんともなかった。20μg、50μgの時は。なーんともなかった。
でも100μgの時、なんだか例の歯の痛みのような、胸の苦しさのような感じがしてきたので先生に話しかけてみた。
『なんだか、歯が痛いような気がします。いつもの胸の苦しさのような・・・。』すると、先生は私が慌てないよう怖がらないよう、
『歯が痛むような気がするような気がしますかー?』と、和やかに返事をしてくれた。本当に気のせいなのかな?と思った時、■先生が
『 Iさんね・・・、きゅーっと細くなっていますよ。異型狭心症です。検査を受けていただいて良かったです。』と、大きな声で
でもやっぱり穏やかに教えてくださった。
アセチルコリン100μgの投与で私の左冠動脈前下行枝(ぜんかこうし)の一部分でなくほぼ全体が針のように細くなったという。
これでハッキリしたのだ。
私は開口一番、『よかったー!』と言った。
なんで病気で良かったんだ、と自分で思い直して『分かって良かったですー!』と言い直すとM先生が『勇気を出して検査を受けて
いただいてよかったです。』と言ってくださったので、じわーっと右目だけに涙が浮かんできた。 ・・・と、M先生が『お顔を右の方へ・・・
右を見るように傾けてください。』とおっしゃった。レントゲンの機械が角度を変えて撮影している。私の右目からは涙がつつーっと伝って落ち、
その前に助手のお姉さんがふたり立っていたので恥ずかしいなあ、左目は涙が出てないのにと思った。
  
◆冠状動脈 心臓の筋肉(心筋)が働くので全身に血液が送られる。その心筋に血液を送っているのが冠状動脈。
   大動脈の起始部から左冠状動脈と右冠状動脈が枝分かれする。左冠状動脈は更に2本(前下行枝・回旋枝)に
  分かれる。右冠状動脈は主に心臓の下面に、前下行枝は心臓の前面、回施枝は心臓の裏面に血液を送っている。

模式図です。それでも、今まで感じたの発作に比べたら、気のせいかと思うような軽い痛みと
苦しさだった。先生が『今までの発作の時と比べていかがですか?』と
聞いてくださったので、とっても軽いですと答えたけれど、それでも私の前下行枝は
細くなっていたらしい。私は軽く感じたが実際の状態は針のように冠動脈が細く
なっていた・・・ということは、今までの発作で強い苦しさと痛みを感じている間
左冠動脈前下行枝はかなり詰まっている状態だろうとのことだった。
その後、右冠動脈にもアセチルコリンが投与されたが、そちらには狭窄は
認められなかった。その後、心臓が血液を送り出す動きを見るため造影剤が
注入された。『一瞬、体が熱く感じられますがすぐおさまります。それから、そそうを
したような感覚がありますが何も問題はありませんよ。』とおっしゃった。 
まるで映画に出てくる超能力者がサイコキネシスを発揮しているイメージのように
体がボー!!っと燃えて熱くなり、一瞬にして冷めたと思ったら同時にホントに
先生の言葉の通りの感覚があってヘンな気持ちだった。

検査が終わって、助手のお姉さんたちと先生が私をベッドに移してくれた。
このベッドは病室で私が使っているベッドで、それをここまで運んできてくれているのだ。
検査台からベッドへ持ち上げられる時、他の患者さんは痩せ細ってしまったお爺さん
お婆さんが多いから私を動かすのはさぞかし重いだろうな〜と恥ずかしく思った。
手を動かそうとしたら■先生に『絶対に自分で動いてはいけませんよ。』と注意された。
■先生と助手のお姉さんが術後の止血をするためにベッドを押して下さり隣の部屋に移動。
その部屋は検査室よりももっともっと寒くて、先生は半袖なので私よりも寒そうに見えた。
すぐに、先生が寒すぎるだろうとエアコンを入れてタオルをかけてくださった。
体内に投与された薬を早く出すために検査前からも点滴がじゃかすか入れられているため
『お小水はいかがですか?』とおっしゃるのでエライ恥ずかしいなぁと思いつつ、そうも言って
いられない状況なので行きたいです・・・と返事をするとM先生は検査室に戻って行かれた。
すると、助手のお姉さんがおもむろにシビンをぽすっと足の間に置いて『はい、どうぞ〜。』
・・・・・で、、、、出来ません・・・・・(×_×)すると、『これから20分、先生が止血をしますが
その間、シビンをここに置いときますか?』とのたまった。
せ、先生が、私の足元に立って、先生自らの手で足の付け根の傷を押さえて止血してくださる
20分間・・・、つるつるになっちゃってるだけで顔から火が出るように恥ずかしいのに
さらに、シ・・・シビンが置かれているわけですか!?私はそこにするんですか!? 
あ!あり得ないでしょー! 
ガマンします〜と答えるしかなかった。
先生が戻ってこられて厚手のビニールシートが取り去られた。そして■先生が、イソジンを塗りたくられた私の両足を見てひとこと、
『まったく、左足まで・・・ひざまで塗らんでもえぇのになぁ。』というような感じで関西弁でつぶやかれた。 へ〜?■先生って関西の方なんだ〜と
思いつつ、実はガチガチに緊張している自分を隠したくて明るく『豪勢に塗りましたよねー。』と声をかけると
『えぇ、すみません。治療を一緒にされる方は左足にもイソジンを塗るのです。でもIさんは検査だけですので右足だけで良かったのですが、
左足のひざまで塗ってしまって申し訳ありません。』と、いつもの丁寧で穏やかな話し方に戻ってイソジンを薬品で拭いて落としてくださった。
と、そこにBADタイミングでそのイソジンお姉さんが検査室から首を出して■先生に声をかけ、次の検査のパートナーの先生は誰かと尋ねたら
『あ、オレ。』と答えられ、イソジンお姉さんがいなくなってから『(書いてある書類を)見れば分かるやろ。・・・。』と
シビンの助手のお姉さんに愚痴っておられたので、私が知っている■先生と違うんだなぁ〜・・・と思った。
足の付け根に入れられていたカテーテルの挿入口を抜いて、先生が素手で指を押し当てて止血をしてくださった。
恥ずかしいのを、もうどうでもいい!という気持ちが上回った。開き直った??
M先生が『これからは、冷たい水に急に手を入れてはいけません。急に寒いところへ出てはいけません。息が切れるような運動はしてはいけません。』と
これからの生活の注意を述べられたので『でも、私ほとんど毎日走ってるんですけど〜』と言うと『走ってるんですか!うーん・・・今まで大丈夫だった
んだから、ジョギング程度の軽めの運動ならいいですよ、でも息が切れるような運動は控えてください。』とおっしゃった。
私の冠攣縮性狭心症(異型狭心症)というのは、走ったり激しい運動をするなどの労作によって誘発される労作性狭心症と違って、
安静時に出現する安静狭心症で、発作が起きやすいのは睡眠中から起床時と言われている。要因はストレス・寒冷・過呼吸・飲酒などに誘発されるらしい。
自分で気をつけて回避できるものなら気をつけねばなるまい。ただ、病勢が急に悪化することもあるので要注意とのこと。
止血が終わり、消毒して絆創膏を貼ってくださった。それから白い布製のガムテープみたいなもので腰からぐるーっと反対側のももまで引っ張って貼って
動けないように固定された。助手のお姉さんがテープを切って渡したら先生が『短い・・・』と言ったので次は長めに渡したら長すぎたので
先生は笑って短く切り直していた。私が先生たちが作業しやすいように動こうとするとM先生は穏やかだけどキッパリと『Iさん、手はこう・・・胸の上ですよ。
絶対に自分で動いてはいけません。』とおっしゃったので、いたずらが見つかっちゃったコドモみたいな気分だった。
それから、検査前に私の左ふくらはぎに何か器具の先を(麻酔の注射かなぁ??)刺してしまったところをM先生が助手のお姉さんに
『前代未聞!・・・刺してしまった・・・。』とつぶやいて『消毒して絆創膏を貼ってあげて。』と大げさな処置をしてくださった。ほっといてもいいのに。
つくづく、本当に、心からこの病院へ来てよかったなぁ・・・と感じ入って、M先生に『私、T病院の裏 歩いて3分のところに住んでいて初めて心臓に
この痛みを感じたときにすぐに会社を早退して駆け込んだんですけど、心電図とレントゲンと採血はしてくれたけど何も分からない、年齢と性別からして
冠攣縮性狭心症(異型狭心症)は有り得ません!って帰されちゃったんですよ〜、本当にこちらに来て良かった〜♪』と言うとM先生もにっこり笑って
『そうですか〜、検査を受けていただいて良かったですよー。』と答えてくださって、また涙が出そうに胸がきゅーっとなってしまった。



15:00 それからベッドのままエレベーターで4階に戻った。予定の終了時間を1時間オーバー、
きっちり2時間かかったことになる。デイルームで待ってくれていた母とカズボンが心配そうに
デイルームの椅子から立ち上がったのが見えた。まだ家族の方はそこでお待ちください・・・と
言われ、私はベッドで元いた位置に戻った。天井しか見えなかった。カーテンは薄いクリーム色、
天井は白。閃輝性暗点(せんきせいあんてん)の症状が出ている時のような錯覚を感じた。
(右目の視界が真っ白にチカチカ光ってものが見えなくなり頭痛と吐き気が数時間続く)
先ほどからお小水をガマンしていたのでつらかった。ここへ連れてきてくださった看護師さんに
お小水の管を入れてほしいと頼むとハイハイと返事はいいが出て行ってしまう。次の看護師さんに
同じ事を言うと、ちょっと待ってくださいねと言われる。冷や汗。ようやく看護師さんが来てくれて
一安心。管を入れるのは痛いと聞いていたのでビビる。息をふーッと吐いてください、
と言われたけれど吐ききってもまだ挿入されていなくて息を吸った時にグサッと刺された。
看護師さんは、さっき点滴の管を入れる時に失敗して1度失敗して抜いた人だったことに気付いた。
真上しか視界に入らないしメガネがなくて見えてないから他の看護師さんは誰が誰だか
分からなかったけど、間違いなく点滴の時と同じ看護師さんだった。
もう一度息を吐き出して、今度は挿入成功。お礼を言って、ため息をつく。

母とカズボンが呼ばれてそばに来てくれた。時間がずいぶんかかったから心配したでしょう?と聞くと、どうしたんだろと思って・・・と、もともと下がっている
母の眉毛がさらに下がってつらそうな顔だった。ごめんね。お小水で体内の薬品を出すために点滴が続いている。それから口からもお茶でも水でも
たくさん飲むように言われ、ペットボトルのお茶に曲がるストローをさして飲ませてもらう。でも、咳が出そうになってこらえたけれど、ガマンし切れなくて
咳が出て体が動いてしまうので、病院の向かいのダイエーでアメを買ってきてくれるようカズボンに頼んだ。何がいいか聞かれたので
『グリコマンとビスコくん。』とキャラメルを所望。でもカズボンはなかなか帰ってこない。待っている間に何度か咳が出て体が動いてしまった。
15分程してビニール袋いっぱいにアメのつめあわせを5袋も買ってきてカズボン登場。
ありがとう、という前にあきれてしまった(^^;;; 『なんでこんなに買ってくるの?フルーツのアメはキライだって言ったのに・・・キャラメルが
ないじゃん。』と言うと、5袋のアメつめあわせとは別に、箱に入ったアーモンドキャラメルを差し出した・・・。
その後、お茶と他に何かほしいものがあったら買ってくるといってくれたので、明日からのひまつぶしのために色鉛筆と紙と頼んだら、
『色鉛筆とスケッチブック???』と聞かれたので、これは、ちゃんと指定しないと何をどれだけ買ってくるか分からないと思ったので
『ひまつぶしに描くだけだから、スケッチブックじゃなくて落書き帳でいいよ。』と指定。 なかなか帰ってこないなぁ・・・と思っていたら24色の豪華な
色鉛筆と鉛筆削り、消しゴム、落書き帳を買って戻ってきた。カズボンに財布を持たせると危険なんだよなー(^^;;; でも、ありがとう(^^;;;
時間がたつのが遅く感じられ、何度も母に時間を聞いた。母もdarlingも立った状態でそばに立って話をしてくれるものの、私は真上しか見えないので
2人が会話の途中に見せようとしてくれるものが視界に入らなくてもどかしかった。
検査に行く前は私を含めて5人いたのが、お昼に2人退院したので3人になった。YさんとKさんは長く入院されているらしく、だいぶイライラしている。
『とうとうこの部屋には2人しかいなくなっちゃったねー!』と何度も何度も言うので居心地が悪い。
私はとても寒がりなのだけれど病室では薄い毛布が一枚ずつしか配布されていないのでぞくぞくしてしまい、看護師さんにもう一枚もらえないか頼む。
頼む。頼む。3度目、30分くらいしてようやく毛布がもらえた。

あーもー。
わがままばかり言ってごめんね・・・・・


16:30 ■先生が病室にみえた。開口一番、笑みを浮かべて
『正解でした!検査で異型狭心症であることがハッキリ分かりました。検査を受けて頂いて良かったです。ありがとうございました。』とおっしゃった。
私自身の年齢と性別からして、あまり冠攣縮性狭心症(異型狭心症)はみられないらしいし、私はせっかく処方していただいたニトロの使い方も
間違っていたわけだから、先生が『狭心症じゃないと思っていた』のには無理はないんだけど、ありがとうなんて言ってもらってかえって恐縮・・・。
でも、私の場合は発作が年にこれまでで4度と稀なので、すぐに手術や治療が必要だということではないため、今夜からカルシウム拮抗薬が出ると
いうことだった。後で足の付け根の傷(カテーテルを入れたところ)を見に伺います、と言い残して先生は忙しそうに去っていかれた。
この後は15時から18時まで絶対安静、18時からはベッドを起こして自分で食事をしていい・・・でも明日の朝までベッドを降りることはまかりならん!
というお達しが出ていたが、これが大変な一夜の始まりになるとはまだ分かっていなかった。


17:00 なんだか廊下が騒がしい。同じフロアに容態が急変された方がいて先生と看護師さんとさまざまな機器総動員で走っているらしい。
私はもちろん真上しか見えないので分からないのだけど、母とカズボンに様子を教えてもらう。なんだかこのフロアで、どなたかかなり状態が悪そうな様子。
ほどなくして、泣き叫ぶ女性の声が廊下に響いて私の寝ている部屋まで聞こえてきた。
『いやー!!!!!どうしてー!!!いやー!!!あぁああああ!!!』
お父様かお母様か、息を引き取られたのだろう。激しく泣きじゃくる声が胸を刺す。母もカズボンも沈痛な面持ち・・・その女性が家族に支えられて
私の病室の前を通り過ぎて行った。『なんでー!?なんでなのー!?』
ここは循環器病院の心臓疾患を抱えた人たちが入院しているフロア。突然容態が急変されることもあるのだろう。でもそれが自分の家族
だったら・・・私も冷静ではいられないかもしれない。それ以前に、私が突然旅立って家族が私の死を受け入れられないかもしれない・・・などと
思うといたたまれなくなった。
同室の2人はなんでもないように見える。なんでもないフリをしているのか、よくあることなのか・・・。
右足の傷が痛む。ウグッー!と声を出すと母が心配して看護師に鎮痛剤をもらった方がいいと言ってくれるがガマンできそうだと言って断った。


18:00 夕飯タイム。ご飯220g・カレイの南蛮漬け・さつま芋煮・ゴボウの味噌炊き・みかん
ちょうど3時間の絶対安静もとけたので、看護師さんに声をかけてベッドを起こしてもらった。M先生がそろそろ足の傷を見に来てくれる頃かなと
思いつつ、まだ他の患者さんの様子がよくないのか姿が見えないのでしばらく待っていた。看護師さんに食事をするように言われたので、■先生を
待っていると答えたら『先生が来ると言ったんですか?』といぶかしげに聞くので母とカズボンに『そう言ってたよね?』と確認すると2人とも
私と同じ事を答えた。
しばらく待ってみたけれどまだ忙しそうなので先にご飯を食べることにした。お昼抜きだったのでお腹が結構すいていた。点滴がジャマ。
昨日の夕方売店で買った【ごはんですよ】でご飯を食べる。カレイは全部食べたけど他は一口程度。
ベッドの上にテーブルを設置してお膳を置いてもらったが、ベッドを完全に90度に起こすとまだ足が痛むので30度くらいに傾けていた為
メニューが全然見えなくて口に入れても何を食べているのかよく分からなかった。とにかく薄味なので物足りない。
母が、他のベッドと比べて私のベッドは高さが高いと言っていたが私はほとんど天井しかまだ見えないので自分のいる高さが分からない。
食後しばらくしてベッドを元通り水平に戻してとカズボンにお願いしたら足元のハンドルをグルグルグル・・・まわし過ぎてベッドが水平を
通り越して頭の方が下がってエビ反り気味になってしまって、カズボンはまた私に怒られた。

18:30 M先生が見えた。最初は、亡くなられた方の病室から直接来られたので表情がこわばっていたけれど、私が食事を終えてのんびりしている
のを見て『あ、お食事はされましたか。』とにっこりスマイル。それから足の傷(を覆っているテープ)を診て大丈夫だと言ってくださった。
その後、母は埼玉から2時間もかけて来てくれているし時間も遅いので母とカズボンには帰ってもらった。母いわく・・・ネタがとても美味しい回転寿司に
行ったらしい。私は動くことは出来ないのでテレビは見られないしヒマでしょうがなかった。看護師さんが、今晩から飲むようにと2種類の薬を
持ってきてくださった。アダラートL錠20mgとシグマート5mgというもので、どちらも冠血管を拡げる作用があるもの。
先生がその後も様子を見に来てくださって、先ほどの号泣していた女性のことも自分の検査の恐怖感も少しずつ忘れて穏やかな気持ちになれた。
看護師さんはとても明るくて優しいし本当によく働いているのだけれど、何か頼んだり聞いたりしてもその場で対応してくれないので困った。
その点、M先生はすぐに動いてくれるし、その場で分からないことがあると何時までにお答えします、と言って遅くまで時間をかけて書類を集めてきて
私の疑問になんでも答えてくれたのでいい先生だなぁと思った。同室のYさんは『M先生は目がクリクリっとしててたまちゃんに似てるよ。
前の部屋にいた時の同室の人たちとカゲでたまちゃん、たまちゃんって呼んで笑ってたんだけど、私たちが笑ってると何だろうって顔して
こっちを見てんだよ。』と笑っていたが、K野さんは『似てないよ、紳士で親切でいい先生だよ。みんなでコソコソ笑ったりしたら誰だって
気分悪くするよ。』と援護していた。私は、K野さんに1票。
でも、なんだかんだ言ってYさんは■先生がスキらしい。『せっかく はえてきたと思ったら検査の度に剃られちゃって、たまちゃんに何度も
見られちゃって恥ずかしいよ!』と照れ笑いしていた。
私も恥ずかしかったですわ。■先生ほとんど年が私と変わらないし。
実はその後で看護師さんたちが【ナイショだけど!】と前置きして■先生のことを『カ××××ー』と呼んでいると言っていた。
それはともかく、■先生が明日の朝、足を見てくれてOKが出ればベッドを降りていいと言われる。明日の朝が待ち遠しい。


19:00 通りがかった介護士さんが、『ずーいぶん このベッド高いですね〜、下げましょうか?』と言ってくださったのでお願いした。
自分では分からなかったけれど、母が言う通り、本当に高かったらしい。


19:30 することもなく、出来ることもなく・・・、横になっているしかなかったのだけれど、検査前からベッドに7時間以上も横になっているので
背中も腰もひどく痛む。骨はギシギシ言うし、筋肉も固まった感じで泣き言を言いたくなる。■先生が痛みがひどかったら看護師に言えば
鎮痛剤を処方するし、体の向きを変えるなどの処置をさせるとおっしゃってくださったけれど、なんて言って呼び止めよう・・・看護師さんが
余りにも忙しそうなのを見ている内にガマンしてしまった。
同室の2人はすでに電気を消してテレビを見ている。私は眠ろうとしたけれどとにかく体が痛んでつらい。左足はもう曲げても良いと
言われていたので動かしてみるが痛みがひくわけではない。看護師さんが来て、終わった点滴をはずすのかと思ったら付け替えて行った。
これが終わる頃にはずしにくるので起こしてしまうだろうと言われた。それから、明朝は5時半に検温と血圧測定があるという。
えらい早いのう。右足の傷がたまにグゥーっと痛む。顔がゆがむ。
眠気は襲ってくるのに眠れない。痛む右足を下にして体重をそこへかけてしまう状態で寝てもいいのか、それとも心臓を下にして寝ても
いいのか。。。心臓を下にすると苦しくて眠れない、検査のせいかチクチクした痛みも続いている。眠るのはあきらめて痛みを軽減する
ために体を動かし続けた。とはいえ、お小水の管がついているから出来る動きも限られているのだが。
腰の下に手のひらを重ねてあてがったり、体の右側に・左側にと時間をおいて筒状に丸めたバスタオルをあてて体を斜めにしたり、
バスタオルを折りたたんでふくらはぎの間に挟んで横になったり、ベッドサイドについているパイプを力任せに引き寄せる感じで体を右腕一本で
動かしたり。何しろ、左腕は点滴でほとんど動かせないのでバスタオルをたたむのも、顔にかかる髪をどかすのも一苦労。
うとうとしかけたと思ったら看護師さんが懐中電灯を持って巡回に来るのですぐに目が覚めてしまい、また体の痛みで眠れないという
悪循環を朝まで繰り返してしまった。
すでに点滴は終わっていて、さらに5時半を過ぎてもいたが看護師さんは現れなかった。同室の2人はもう目が覚めてベッドを出たり
カーテンを開けたりテレビを見たりしているが、私は動けないまま。
ネットで【検査より検査後の方がつらい】と書いてある体験談をいくつか読んだけれど、検査も検査後も大変だった。ホント大変だった。









入院3日目へ。


いつでもネットで医師に相談できる!


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